最先端のCG技術

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2002.03.03    「3DCGソフト」 
2000.11.02    「トイ・ストーリー2とCG」 
2000.06.10    「サブディビジョン・サーフェス」  
1997.06.14   「CGにおける楕円曲線の高速発生法」公開  
1997.01.26   「光線追跡法(レイトレーシング)」  


■サブディビジョン・サーフェス(細分割曲面)

  写真1 正12面体の細分割曲面                             小生が個人的な理由で(主な理由は会社の激務)このページの更新を怠っていた   3年間の間に、CGテクノロジーは劇的な進歩を遂げた。   その一つが米ピクサー社の開発した、サブディビジョン・サーフェス(細分割曲   面)理論である。  ●トイ・ストーリー2で使われた曲面   トイ・ストーリー(1995年)では、主人公ウッディ(カウボーイ)の体の一部を   アップすると、パッチの継ぎ目に不自然なところが見られたものである。   これは現在のモデリングの主流であるNURBSについても言え、CGキャラクターを   アニメーションで動かすと、パッチの継ぎ目で裂けてしまうことがある。   短編アニメ映画「ゲーリーじいさんのチェス」(1997年)で登場したピクサーの   細分割曲面は、ゲーリーじいさんの顔や衣服を1枚の曲面で表すことができ、パ   ッチが裂ける問題を克服した。   この曲面は「バグズ・ライフ」(1998年)や「トイ・ストーリー2」(1999年)   のCGキャラクターの顔や衣服のモデリングに使われている。  ●サブディビジョン・サーフェスとは?   ポリゴンからなる3Dオブジェクトを、頂点を移動させながら何度も分割して得ら   れる、完全に滑らかな極限の曲面のことである。   その基礎理論は、ピクサーの共同設立者の一人、ピクサーの上級副社長カトマル とジム・クラーク(SGIとネットスケープ社の設立者)により1978年に発表され、   短編アニメ映画「ゲーリーじいさんのチェス」(1997年)で完成された。   ピクサーの特許システムである。Shadeや六角大王などの同機能は、ピクサーか   らのライセンス供与による。  ●カトマルとは?   米国ユタ州に生まれ、ユタ大学に進んだ。1968年、ユタ大学にコンピュータ   サイエンス科が創設され、CGの父サザーランドが招聘されると、米国から有能   な人材がサザーランドのもとに結集した。パソコンのGUI(画面操作によるインタ   ーフェース)を発明したアラン・ケイやSGI(米シリコン・グラフィックス社)の   創設者でジオメトリ・エンジンの生みの親ジム・クラーク、Adobe(アドビシステ   ムズ;Photoshopやillustrator、Acrobatなどの画像処理ソフトで知られる)の   創設者ワーノックなど、後のコンピュータ技術を変える男たちの結集である。カ   トマルもその中にいた。   ユタ大学で学位を取得したカトマルは、1974年、ニューヨーク工科大学にCG研究   所が設立されると、数人の仲間と移籍した。ここでの主な研究には、テクスチャ   マッピングやアンチエイリアシングを用いた隠面消去、細分割曲面の基礎理論、   またTV番組や映画へのCG応用などがあった。   1979年、カトマルはジョージ・ルーカスの招きに応じ、ルーカス・フィルムのCG   開発部門の責任者となり、CGの基礎研究を続けた。この頃のルーカス・フィルム   は、シーグラフでも先進的な多くの研究発表をしている。また「スタートレック   2」(1982年)では、初めてCGショットを映画に取り入れた。しかし、ルーカス   とは意見があわず、1985年にピクサーとして独立、翌年にはスティーブ・ジョブ   ス(アップルの共同設立者であり、iMACの生みの親)をCEOに迎えた。   カトマルはアカデミー賞(科学技術賞)も受賞している。




■CGにおける楕円曲線の高速発生法公開

      図1 これまでの一般楕円生成法      図2 本提案による一般楕円高速発生法    赤丸:(Xn,Yn)          赤丸:(Xn,Yn) 青丸:(X'n,Y'n)  1.これまでの一般楕円生成法      傾斜した楕円を一般楕円というが、通常は図1のように順次Pn=(Xn,Yn)を   計算して描画する。計算式は、次の式で与えられる。    Xn=a・cosφcosθn−b・sinφsinθn    Yn=a・sinφcosθn+b・cosφsinθn    ここに総ポイント数をN=2K、刻み角をΔθ=π/K、θn=nΔθとする。  2.一般楕円の高速発生方法    上記方法では三角関数演算または、三角関数テーブル参照が避けられない。    ここでは、三角関数演算も三角関数テーブル参照も不要で、簡単かつ高速に一般楕円    を発生する方法を紹介する。計算式は、わずか次の2行のループである。       X=X−ε・X': X'=X'+ε・X    Y=Y−ε・Y': Y'=Y'+ε・Y    上の2行のループで、図2の赤丸(Xn,Yn)、青丸:(X'n,Y'n)が生成できる。    初期値計算は総ポイント数をN=4K、刻み角Δθ=π/K、S1=sinφ、C1=cosφ、    S2=sin(Δθ/2)、C2=cos(Δθ/2)、ε=2S2、    X=a・C1、X'=X・S2+b・S1・C2、Y=a・S1、Y'=Y・S2−b・C1・C2        この方法では、1点を生成するのに必要な演算は乗算2回と加減算2回である。通常の方法は    三角関数演算(またはテーブル参照)2回、乗算4回、加減算2回である。また従来最速とし    て知られるL.B.Smithの方法(1971)でも、乗算4回、加減算4回であり、本手法は初期値計算    が比較的簡単で、かつメインループの演算量がこれまでの最速法と比べても半分であるという    優れた方法である。    詳細は次の論文を参照してください。    輿水大和、沼田宗敏:"一般楕円生成の高速化について",電子情報通信学会春季大会,    D-613(1993)   


■レイトレーシングの原理



■色分散による"しゃぼん玉"


(横井研究室URLより)



■レイトレーシング (光線追跡法)

光の反射経路をコンピュータ−で追跡し、リアルなCG画像を生成します。

 ●CGの花ざかり………

 ここ数年、テレビ番組でコンピュータグラフィックス(CG)を見ることが多くなった。
 ニュースやスポーツ番組のオープニングからコマーシャルに至るまで、まさにCGの全
 盛期といった感がある。

 ●SFXがCGブームの火付け役

 記憶をたどれば20数年前、SFX映画の超大作「スター・ウォーズ」の中でレイア
 姫が極秘に入手したデス・スターの設計図は、3DCG表示されたワイヤフレームモ
 デルであった。これがCGブームのはしりで、その後SFX映画「TRON」が続く。
 CGはSFXとともに映像メディアの表舞台に進出してきた訳である。

 ●グラフィック・ワークステーションの登場!

 さてここ1〜5年では、「ジュラシック・パーク」、「ターミネーター2」、「アポ
 ロ13」、「トイ・ストーリー」、「インデペンデンスディ」などが精緻なCG技術を
 用いて、現実の映像と見分けがつかないCG画像を提供してきた。これはスピルバーグ
 監督が「ジュラシック・パーク」公開記者会見の席上で語った様に、これからの映画に
 はシリコン・グラフィックス(SGI)社などのグラフィック・ワークステーションが
 不可欠なものとなってきているのである。
 なお念のために書いておくが、「ターミネーター2」や「ジュラシック・パーク」、
 「トイ・ストーリー」などの高品質な画像は、米ピクサー社のレンダリングソフト[レ
 ンダーマン]を用いているが、レンダーマンはレイトレーシングを用いていない。

 ●レイトレーシングについて

 最近のリアリティに富むCG画像のベース技術はレイトレーシング(光線追跡法)であ
 る。モデルの表面形状、色、反射率、透過率および背景の同様の条件を考慮し、光線1
 本1本をコンピュータで追跡し、TVカメラにどの様に映るかをコンピュータで演算す
 る事により、あの画期的なCG映像が得られるのである。

 ●レイトレーシングの歴史

 1980年にウィッテッド(T.Whitted)が発表した。その後、空間の部分分割の利用や光
 束追跡、視線探索法などの研究が進み、1984年には名大横井教授らによる色分散による
 レイトレーシング法や改良レイトレーシング法が発表された。なお、色分散によるレイ
 トレーシングは、ダイヤモンドやプリズムの表現になくてはならない手法となっている。




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