コンピュータ画像処理技術


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2002.1.1     「ベクトル相関法」  
2001.5.16    「漫画風 立体肖像」  
2001.4.15    「ムーアの法則と画像処理」  
2001.3.31    「画像補間法」  
1998.5.10    「センサー化が進むFA用画像処理装置」 
1998.1.1    「パソコン高速画像処理の時代到来」  
1997.11.3   「セグメント対応による3次元画像計測」  
1997.10.12  「画像処理基本特許と発明王レメルソン」  
1997.6.8    「新ハフ変換理論特許取得!」  
1997.5.22   「顔学会のスタート」  
1997.2.1    「にがお絵コンピュータ」  


■新ハフ変換理論特許取得!

  [特許番号]特許第2646363号(取得日H9.5.9)         「簡易型ハフ変換による高速直線群検出方法」          発明者 沼田宗敏(Lossev Technology Corporation)

  米国のX線技師P.V.Houghが、霧箱中のアルファ線軌跡画像から自動的に直線を   検出する手法を特許として取得してから、まもなく40年になろうとしている。   この間、コンピュータ技術の進展には目を見はるものがあったが、いまだに画像処   理でもっとも確実な直線検出方法といえば、このHoughの提案したHough(ハフ)変   換理論の右に出るものはない。    本特許はこのHough変換理論の最大の弱点であった処理時間の遅さを、Hough曲線   を構成するサインカーブの代わりに、区分的な直線に置き換えたもので、6倍の高   速化が達成されたものである。

 ●理論概要

原画像              パラメータ平面(Hough曲線群) 1.これまでのHough(ハフ)変換は次の3つのステップにより直線を検出する。   @X−Y原画像の中の点群をθ−ρパラメータ平面上のHough曲線群に変換する。    →Hough曲線の軌跡のセルのカウンターを+1する。    原画像の点を(X,Y)とすると、Hough曲線は下式で与えられる。    ρ=X・cosθ+Y・sinθ    ※上図では、原画像の点Pnをパラメータ平面のHough曲線nに変換している。   Aθ−ρパラメータ平面上で、Hough曲線群の交点を求める。    →具体的にはセルカウンターが極大となるセルの座標(θs,ρs)を求める。    ※上図では交点(θ0,ρ0)で示される。   B求める直線は次式で与えられる。    ρs=X・cosθs+Y・sinθs    ※上図では原画像の直線Lがこれに相当する。  2.Hough変換の問題点    三角関数の演算が不可避のため、演算コストが大きく、高速化に向かない。  3.本特許の解決法

 パラメータ平面(Hough直線群)   「Hough曲線のかわりに、端点を共有する複数の区分的直線セグメント    からなるHough直線に置き換えた。」   @一番簡単な例では、上図の様に0,π/2,πでHough曲線(ピンク色)    と交わる様な2本の区分直線からなるHough直線がある。   AHough曲線の分割数(ex.4など)や分割範囲も全く任意でよい。   B直線の演算は基本的に足し算だけであり、高速化が計れる。   C本手法は単なる曲線を近似したものではなく、直線検出時における近似誤    差を全く伴わない。   D本手法で機械部品の画像から、稜線の直線を検出した例を下に示す。  

[例1]機械部品1から稜線1本を抽出   SOBEL法でエッジを検出した後、各エッジ点に対し区分的Hough直線   をθ−ρパラメータ平面に生成。セルカウンターが極大となる点を抽出し、逆   変換式によって原画像上の直線を検出している。 原画像(機械部品1)      エッジ画像(SOBEL) θ−ρパラメータ平面      直線検出画像

[例2]機械部品2から直線4本を抽出

原画像(機械部品)      処理画像(稜線抽出)     4.本理論からWARPモデルへ   @本特許は下記論文をベースとしている。

   輿水大和、沼田宗敏:”区分的Hough直線による高速Hough変換法PLHTについて”,    電子情報通信学会論文誌Vol.J72-D-U No.1 PP.56-65(1989)

  A拡張Hough曲線    Hough曲線とHough直線は位相幾何学(トポロジー)で言う位相    同型の関係に当たる。Hough曲線と位相同型の性質を持つ曲線または    直線を、拡張Hough曲線という。本特許は拡張Hough曲線の1つ    であり、初期に発見された変換群の1つでもある。   BWarpモデル    拡張Hough曲線は、Hough曲線が生成されるθ−ρパラメータ平    面を任意にゆがませて生成する事ができる。このゆがませ方により、直線    検出時に様々な有益な性質を持つ拡張Hough曲線を作り出す事ができ    る。これをWarpモデルという(輿水、沼田、村上らが提案)。 ■WARPモデルの概念図     パラメータ空間をゆがませて所望の機能     を持つ拡張Hough関数を得る。 



■クリントン大統領
(原画像)
■クリントン大統領
(にがお絵)





■にがお絵コンピュータ

コンピュータ画像処理により、にがお絵を生成します。

 つくば博でにがお絵ロボットが話題になって十年が過ぎた……。

 ●にがお絵くん(TM) 

  小生が開発した「にがお絵くん」は、TVカメラで顔をとらえ、
  コンピュータ画像処理でにがお絵にします。
  ’90とやまテクノフェアに初デビューし、3日間で1,000
  人のにがお絵を描き、ニュースでも放映されました。

とやまテクノフェア 原画処理画

 @原画像:TVカメラから画像を入力します。
 A処理画:輪郭抽出処理/目抽出処理/髪強調処理をして「にがお絵」完成。
   ※「にがお絵くん」は Lossev Technology Corporation の登録商標です。 







■顔学会のスタート

にがお絵BYみなみ芳高

 1996年8月、日本顔学会の初の全国大会が開催された。「顔」に  関する異分野間コラボレーションを創り出すことをターゲットとしてい  る。  ●研究者のジャンル   人類学、電子情報工学、心理学、情報科学、化粧学、メガネデザイン、   警察捜査員、理工学、人間情報通信、ライフエレクトロニクス、脳神   経学、病院、3D計測、美術学など多岐にわたる。  ●研究テーマの一例   ・顔と健康、化粧品、メガネ、似顔絵捜査、CGと化粧肌色   ・顔画像変形、大人子供男女の顔、表情判断と注視、鼻形態診断   ・顔の領域抽出と画像処理、顔と声の記憶統合   ・美容外科、歯科矯正治療、顔認知とプレコックス感   ・にがお絵かき、能画の表情認知、心理学と表情識別  さて、本大会の最後のプログラムとしてパネル討論「顔学への期待」が企  画された。座長は香原会長(人類学)、パネラーとして西原克成氏(医学)、  池田進氏(心理学)、南美希子氏(化粧学)、輿水大和氏(情報工学)が  登壇した。動物学、免疫学は顔形態と不可分の話、なぜこれが顔と見える  のかの心理学の話、顔に見るブランド指向の話、コンピュータは本当に似  顔絵が描るのかの話と、どれも興味深く、今後の「顔学」への期待が分か  りやすく描き出されたように思われた。 日本顔学会へのリンク

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